避妊の方法

避妊の方法にはいろいろなものがあります。
射精されてから、精子は約90秒前後で子宮頚管の中にはいるといわれています。ですので、性交後の膣の洗浄という方法はほとんど避妊効果は期待できません。
また、排卵された卵子の生存期間は約24時間といわれており、特に妊娠しやすいのは排卵直後の12時間といわれています。
このときに精子と排卵された卵子があわなければ妊娠は成立しないのですが、精子の生存期間で長いものは1週間という報告もあり、精子が生存している間に排卵がおこればやはり妊娠は成立します。
ちなみに、避妊をまったく考慮しない場合、1年間の妊娠率は約85%前後といわれています。
男性側の避妊法 性交中絶(膣外射精) 射精する前に、性交を中断して精子を膣外に放出する方法です。
1900年代後半まではこの方法が主要な避妊方法のひとつでした。
費用がかからず、経済的ではありますが、特に男性側の性行為の快楽が低下します。また、射精前の分泌液中にも精子が存在することもあり、性交中絶自体の失敗も数多くみられます。もちろん、緊急事態の場合、しないよりはしたほうが効果的です。
コンドーム もともとは、古代ローマ時代に、性感染症の予防のために動物の膀胱などを使って始まったものだといわれています。1700年代にはいり、はじめて避妊目的で使われるようになったそうです。
エレクトしたペニスにかぶせて、精液が膣内に入らないように作られた、一般的には加硫処理したラテックスゴムの袋です。
比較的安価であり、ある種類の性感染症の予防にもなり、性交時間の延長をもたらすこともあるのが利点ですが、ムードを下げたり、性感の妨げになったり、初めから終わりまで正確に装着していないと精液が漏れる場合があります。また、まれに破損や脱落があります。爪で傷をつけてしまうこともあります。また、ベビーオイルやワセリン、一部の日焼けオイルやクリームなども、コンドームの強度を下げ、破損しやすくすることがあります。
年間妊娠率
3〜14%
女性側の避妊法 ペッサリー 精子の子宮内への侵入を防ぐために、膣内にキャップのようなものを挿入し、子宮の入り口にふたをしてしまう方法です。
ただし性交中には膣はある程度普段より膨張しますので、殺精子剤の併用が必要です。前もって装着が可能なので、ムードを壊しにくく、性感の低下もありません、また性感染症やHPVなどの感染の確立を下げますが、自分で膣内に装着することにある程度以上の練習が必要なこと、、また実際、ピルやリング(IUD)などより避妊効果が低くなります。
また性交後6時間以上たってから取り出します。24時間以上膣内にいれたままにすると感染などの可能性があります。
年間妊娠率
6〜20%
殺精子剤 精子を科学的に死滅させたり、受精能力をなくすものです。いろいろな種類があり、クリームや膣座薬、ゼリー、フィルムなどがあります。比較的簡単に入手でき、他の避妊法の補助としても有効ですが、単独では避妊効果がややおとること、また、製剤にもよりますが、性交1時間以上前に挿入してもあまり効果がなく、逆に10分以内に挿入してもやはり効果がない、といったような、タイミングの難しさ・わずらわしさなどがあります。
年間妊娠率
6〜26%
女性用コンドーム 男性用コンドームの大型のようなもので、自分の膣にとりつけます。
性交前に挿入でき、性感染症の予防にも有効であり、男性側の性感も男性のコンドームほどは損なわないといわれていますが、ビジュアル的に気になることや、装着が慣れるまで難しいこと、ペニス挿入が、コンドームと膣のすきまに間違っておこることがある、などがあります。
IUD(避妊リング) 子宮の中に異物を挿入することによって、受精卵の受精・着床を防ぐことにより避妊する方法です。
避妊効果は95%くらいではないかといわれています。
装着はもちろん、医師の手によっておこないます。装着のベストな時期は、生理開始日から10日目前後くらいです。いったん挿入すると、3,4年おきに交換が必要となりますが、その間は特に自分で気をつけないといけないことがあまりありませんので楽です。また、最近は、銅付加IUDというリングも登場しました。銅付加により、精子が卵管に侵入することを妨げたり、精子の活動力を低下させたり、受精卵の着床の率を低下させるといわれています。このため、さらに以前のものより効果はアップしています。詳しくはこちらをクリックしてください
年間妊娠率
0.1〜2%(ただし銅付加などのIUDの場合)
卵管結サツ術 精子と卵子の受精が行われないように、通り道である卵管をしばって切断してしまう方法です。(手術が必要となります)
基本的には永久に避妊可能であり、性感をそこなったりすることもなく、生理などもそのままおこりますが、再度妊娠を希望したときに問題となります。(体外受精などの方法をとらないといけなくなります)またごくまれにですが、切断された卵管が再度再生してつながり、妊娠するということがあるといわれています。
年間妊娠率
0.5%
ピル ホルモン剤を服用することによって、避妊する方法です。詳しくはこちらをクリックしてください。 年間妊娠率
0.1%前後(ただし飲み忘れなどない場合)